アレルギー疾患について
現代医学においてアレルギー性疾患の原因、治療法はさまざまであり、まだ多くのことが解明されておりません。
東洋医学でも、アレルギー性疾患だからと言って、<ここを治療すればよくなる>といった単一的な治療法はありません。
免疫機能を高め、アレルギー性疾患になりずらい体質を目指していきます。そのためには一人一人ケ-スが違い、治療すべき場所も異なってきます。
一例として、アトピー性皮膚炎を取り上げて言いますと、
現代医学においてアトピー性皮膚炎とは、日本皮膚科学会によれば「増悪・寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義されています
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五臓六腑において注*1肺、大腸に関係があります。 (注*1東洋医学における肺、大腸は便秘や下痢、便の色や形状の変化なども含まれ、現代医学における肺、大腸とは異なります。)例えば、大腸に機能が弱りますと肺に症状が出ます。肺の症状は皮毛(ひもう)<現代医学で言う皮膚>に影響が出ます。しかしながら、一人一人、肺、大腸の機能の弱る過程が違います。 例えば、注*2内因や外因その人の生まれ持った遺伝的要素、日々の食生活など、さまざまなものに起因すると考えます。よって治療すべき場所や期間、本人の気をつけるべき事も異なります。 注*2<内因とは怒る、笑う、思い悩む、悲しむ、驚くなどの感情により病気を引き起こすと考えます。><外因とは風暑湿燥寒、5つより起こると考えます。この5つは簡単に言えば気候や土地柄など環境を指します。> 湿疹の形状を例に上げますと発疹が小さい、大きい赤みが帯びている ジクジクしている,化膿している かさぶたがある 浸出液がでている,かゆみが強い、弱い 等、発疹にもさまざまな形があり、それぞれ証(東洋医学における病気の見方)も異なってきます。 |
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アトピー素因とは、 ①家族歴・既往歴に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれか、あるいは複数の疾患がある場合②IgE抗体を産生しやすい素因をもつ者とされている。アトピー性皮膚炎は、かつては子供のうちにほとんどが完治してしまう小児の疾患とされていたました。しかし最近大人になっても治らず、重症化する成人型アトピー性皮膚炎が増えてきており、小児の罹患数も増加しています。 アトピー性皮膚炎に対する抗原としては、 ①環境による抗原と②食物抗原が主要の抗原とされております。 ①環境による抗原 環境抗原のうちアトピー性皮膚炎と関係が深いのは家屋においては家塵、ダニであります。そして化学物質この関連性が注目されるようになったのは、同抗原に特異的なIgE、IgG及びIgG4抗体の出現率と血中濃度が高いことや、ダニ抗原を除去した生活環境に身をおくことにより皮疹が軽快すること、 検査された方もいるかもしれませんが、ダニ抗原を用いた貼布試験が特異的陽性反応を示すことなどの知見に基づくと考えます②食物抗原 本症における食物抗原としては、古くから卵白、牛乳・大豆が三大アレルゲンとして注目されてきましたが、最近は米や小麦など、日常摂取する食物が原因となっている場合があることが指摘されています。皮膚症状との因果関係を自覚することが困難であり、本症の慢性化に関与している可能性がある考えられています。 |
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これらをみていきますとアトピー素因をなくすことは難しいとおもわれます。 アトピー性皮膚炎に対する抗原においては改善していく余地があるように思います。東洋医学の発想から考えますと上記の①環境による抗原は 原因物質を取り除くのはもちろんですが、家屋において外因、風暑湿燥寒なども関与すると考えます。つまり、家屋など生活環境において寒いところ、暑いところに住んでいるだけでも違う考え方をします。②食物抗原は卵白、牛乳・大豆が三大アレルゲンを控えるのはもちろんですが、 東洋医学では五味といって酸味、苦味、甘味、辛味、鹹(しおからい)の味のバランスが重要と考えそのバランスがくずれると五臓六腑に異常が起こると考えます。 つまり、現代医学も東洋医学もアレルギー性疾患に同じような見解の方向性を見出してきています。 |